湿布薬メーカーに配達員

東京都足立区の湿布薬メーカーに配達員として入り、病院や接骨院を回った。後に営業の仕事も経験したが、上司から営業の数字を達成するようガミガミ言われるのに嫌気がさし、約2年で辞めてしまう。 四つ目は川越市にある機械工具の販売店だった。ホンダの工場に工具を納めていた。上司から口うるさく指示されることもなく、自分のペースで自由に仕事ができた。仕事は楽しい。給料もいい。仲間もいる。なた豆を決して辞める必要のない恵まれた環境だった。 【説明会に参加】 入社3年目、仕入れ先の知り合いが米国の工具メーカー、スナップオンの販売代理店として川越で独立したと話を聞いた。「独立採算制なんだ」という当人の言葉に心が動く。説明会に参加し、バンを改造した移動店舗に同乗し販売体験もした。「人の2倍動けば2倍稼げる」。自分ならやれると確信した。 約3年勤めた会社を辞める時引き留められた。複雑な思いがした。決してその会社が嫌で辞めるわけではない。ただなた豆茶のサラリーマンから脱したい、独立したい、その気持ちの方が強かった。(敬称略)